F5WCで日本代表が世界2位になれた訳

F5WCで日本代表が世界2位になれた訳

2016年7月13日
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3月に開催されたサッカーの世界最大級のコンペティションで、日本代表が準優勝を果たしたのを知っている人がどれほどいるだろうか。プロサッカー選手が参加するコンペティションの頂点をFIFAワールドカップとするのならば、アマチュア選手のコンペティションの頂点が、「F5WC THE WORLD FOOTBALL FIVES」(以下、F5WC)だ。今回はそのF5WCについて、そしていかに日本代表が準優勝を果たしたのかをサニーサイドアップF5WCジャパン事務局五十嵐氏に話を伺った。
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アマチュアサッカーの最高峰F5WCでサッカー日本代表が準優勝

F5WCは2013年にドバイでスタートした、16歳以上のアマチュア選手を対象とした世界最大の5人制アマチュアサッカー大会だ。2014-2015年の第2回大会では、世界44か国から代表チームが集結した。英プレミアリーグの「マンチェスター・シティFC」、「チェルシーFC」などからスカウトが派遣され、実際にUAE代表の選手が合宿に参加するなど、年々その注目度は上がっている。3月、タイ・バンコクのメガバンナーでおこなわれた2015-2016大会では、F5WC日本予選である「アットホーム F5WC FOOTBALL FIVES JAPAN CHAMPIONSHIP 2015-2016」で優勝した、中央大学の学生を中心としたチーム「TamaChan」が日本代表として出場した。グループリーグを2位で通過した日本代表は、決勝トーナメント第1戦では南アフリカを2-1で、準々決勝ではイングランドを3-0で下す。準決勝のアイルランド戦にPK(4-3)で勝利するも、決勝のコロンビア戦では1-3で破れ、準優勝とフェアプレー賞を受賞した。

F5WCとは

F5WCの最大の魅力は「誰でも参加できること」だと五十嵐氏は話す。“プロでなければ”16歳以上の男子の誰にでも参加権があるのがこのコンペティションの特徴で、「日本だけでなく、世界大会がある競技になると、頂点に位置する選手しか参加権が与えられていなかったけれど、F5WCではその仕切りがなくなり、日本代表になれば世界最大の舞台に立つことができる」大会だ。競技人数にも一計があり、11人制でも、育成世代やソサイチで採用される7・8人制でもなく5人制なのは、「すぐ集まって試合できるような人数設定で、7人だと人数が集まらない国もある」という。
日本で「5人」「サッカー」と聞くとフットサルがすぐ思い浮かぶことが多いと思うが、「ぼくも当初はフットサルに近い競技だと思っていたが、海外に行くと5人制でも必ず芝のコートでプレイされているし、フットサルではなく、5人制のサッカーのイメージの方が近い」競技だ。それでもやはり、ローバウンドの5号球を使用すること以外はフットサルに近いルールが採用されており、サッカー経験者vsフットサル経験者の構図から試合を見ることも試合を楽しく見るポイントになる。サッカープレイヤーがゴール付近の選手にボールを預け、そこから展開していくポストプレイや強引なドリブル突破をしてくるチームが多くを占めるのに対し、フットサルプレイヤーの足元の流麗な技術や、狭いコートでの美しいコンビネーションは対照的で、F5WCを観戦する上での醍醐味だ。

日本予選を4倍の規模に

前回大会である2014-2015年には予選敗退だった日本代表が、今回大会ではなぜ準優勝という成績を納められたのか。その裏には、「4倍の規模にした」という地域戦略によるところが大きく、「本当の意味で日本代表になって欲しい」という事務局の願いが込められている。前回大会時、日本予選は東京、埼玉、大阪等の4都市8会場でおこなわれたのに対し、今回は30都市、30会場と予選規模を約4倍に拡大。規模の拡大に伴い、去年まではいなかった、地域リーグに所属している選手や、元Jリーガー、元Fリーガが増えレベルは著しく向上したそうだ。

“5人制”サッカーとしてPR

規模を急速に拡大していく中で、五十嵐氏が特に注意を払ったのは「PRする上では、“5人制サッカー”という表現で、フットサルではなく、5人でやるがあくまでサッカーである」という点だ。F5WCにメディアの取材が入った場合、F5WCを“フットサル”と言うメディアが多かったそうだが、必ず“5人制サッカー”と言ってもらえるよう、そしてそう言ってもらえるまで言い続けたそうだ。「フットサルと言われると、サッカープレイヤーはそのメッセージを受け取らないが、“5人制”サッカーということで、サッカープレイヤー、フットサルプレイヤー両者に同時にメッセージを届けることができた」と五十嵐氏は振り返る。
ひとくちにサッカーと言っても、高校・大学の部活、サークル、社会人リーグ、民間のグループ・リーグ、民間の大会等カテゴリーは多岐にわたり、さらにこのカテゴリーがフットサルでも同じだけある。「こうしたカテゴリーに1つずつ地道にあたり、交渉をおこない、元Jリーグ、Fリーグ選手の参加もあって、日本でも徐々に認知度が高まっている」という。実際にコートで戦い、輝かしい成績を手にした日本代表選手の実力はもちろん、広告やメディアだけに頼るのではなく、対人で直接伝えてきたPRが功を奏し、日本大会の規模が4倍に、そして本大会準優勝という結果の後押しをしたのだと言えると思う。

5人制サッカーに見る夢

また、メッセージの伝え方として「アマチュアサッカーがメディアに出ることはほとんどないので、“日本代表になれる”“世界に行ける”ことをフックにサッカープレイヤー、フットサルプレイヤーに届けるよう意識した」という。部活の11人に入れない選手たちにも夢が開かれている。「高校のレギュラーではなかったけど、もう1度日本一を目指すというーモチベーションで参加している選手も結構多い」そうだ。サッカー選手になって世界一になるという子供の頃の夢も、世界中の“サッカープレイヤー”のためのこの大会では叶えられるはずだ。“サッカー日本代表”が世界一になるということも夢ではないはずだ。

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