失敗シェアで縮まる”自”と”他”の距離

失敗シェアで縮まる”自”と”他”の距離

2016年5月2日
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言葉の壁を超える試み

失敗体験をシェアするイベント、FuckUp Nights(*)は今回で通算6回目の開催となり、そしてこの日1周年を迎えた。

本イベントの趣旨については、弊誌の「1%の成功は、99%の失敗によって支えられている。失敗シェアイベント”FuckUp Nights”とは?」で詳しく記載しているので、ご覧頂きたい。

Impact HUB Tokyoに到着すると、いつもの様にライトに照らされた看板があり、既に中は様々な国籍の人たちで賑わっていた。

Slack for iOS Upload-27

前回までは、スピーカーが英語でスピーチし、オーディエンスもほとんどが外国人で日本人の比率はかなり低く、当然のことながらそこらじゅうで英語が飛び交うため、本当にここは日本なのかと疑うほどの状況だった。

日本でこの失敗シェアイベントをやる上で、国外にグローバルなパスを保有しそれを社会課題の解決に活かす、というImpact HUB Tokyoの持ち味を殺さず日本で失敗シェアという活動を広げるための試みとして、開催開始1周年となる6回目からは言葉の壁を極力なくすことを考えたという。その結果、英語でスピーチした後に日本語でImpact HUB Tokyoのホストがオーディエンスに説明を行うというフローが組まれた。

スピーカーが話す内容をより正確にオーディエンスに届けるという意味では、その言語自体への理解度や習得度合いによって微妙に発生する「解釈の誤差」を減らし、貴重な体験の共有を丁寧に行いたいという運営の想いを感じた。

6回目に登壇したのは、株式会社オリナス・パートナーズのCo-Founder打田氏、Video artistで起業家の伊原氏、デジタルサーフ株式会社のFounder飯盛氏、Writer/Director/Producer Higdon氏の4名。

中でも、会場の興味と笑いをかっさらった飯盛氏の失敗談を本記事ではご紹介したい。

 

コンパスを持たず、Wild sideを歩く楽しさ

飯盛氏は、デジタルサーフ株式会社というジタルマーケティング構築全般支援、オムニチャネル構築全般支援等、ベンチャー企業からグローバル企業まで様々な企業をサポートする企業のFounderである。

「僕の人生はジェットコースターみたいなもの。」

と切り出した飯盛氏は、これまでのヒストリーを語り始めた。

大学卒業後、飯盛氏の父親が脱サラし喫茶店を出店。廃業し売却するまで4年半店長として珈琲を入れ続ける日々を送っていたという。お店に来る客は土地柄もあってかうるさくてガラの悪い人が多く、その相手をしながら珈琲を作る日々に辟易し、本当に嫌だったそうだ。その時、本人は自分の時間をどう使うべきなのか、その使途の選択に失敗したと感じ、このままでは何も変わらないと一念発起して、行動を開始した。

その当時、縁のあったソフトウェア会社の契約社員として大手電機メーカーの工場で検査要員として働き始め、お金のなかった飯盛氏は往復40kmという距離を毎日自転車で通勤していたという。毎日500円ほどしか使えないという生活だったが、さらなる変化を求める気持ちが歩を先に進めさせた。

理由は定かではないが、5年後に外資系の測定器メーカーに転職。その時英語は全く話せなかったため、行きの空港で「とっさに話せる英会話」を買い、持ち前のコミュ力だけでノースカロライナの3週間の研修を乗り切ったというエピソードからも、失敗を恐れずまず飛び込んでみるという積極的なスタンスが感じられる。

なんとなく英語でコミュニケーションが取れるようになると、外資系の企業をジョブホッピングし、今からさかのぼること8年前に起業。

成功をおさめたのちに、南青山に新築マンションを購入したが税金が払えなくなったりするなど、成功しては大失敗しまた這い上がるというまるでジェットコースターの様な今までの人生を振り返り、

  1. 過去に習ったことは一つとして無駄にはならないこと
  2. 未来のことはわからないが、過去の点がやがて結ばれること
  3. 自分のスタイルを持つことが、やがて自分を助けること
  4. 挑戦する気持ちをいつまでも持ち続け、やりたいと思っていることを口に出して多くの人に言うこと
  5. 税務署は怖いので、税金についてしっかりと理解をしておくこと

上記5つの教訓をシェアしてくれた。

Slack for iOS Upload-24

失敗談を聞くことで、自分が全く知らない人が”身近”な存在になる

失敗したことを、人に話すことは勇気のいる行為だ。もしかしたら、その話をしたことでネガティヴイメージを与えてしまい、正当な評価や承認を得られなくなる可能性もあるからだ。

しかし、何をどう失敗したのか、そして、その失敗をどう乗り越えたのか、という体験は何かを実現するために必要となる重要な要素であり、それをシェアすることが実現した物事をより深く理解するためのキッカケとなるとも言える。

さらにはその体験をした人物像についても、同時に深い理解を促すものとなるではないだろうか。

IHT_20160414_Fuckup Nights Vol.6_P1070135

Fuckup Nights、このイベントの特性として、スピーカーが失敗談を話し始めた時のオーディエンスとの距離感が、話し終わった時にはとても身近になっているという点がある。

失敗談のシェアは、その人がどんな人物なのかがとても伝わって来る行為だ。相手との距離を一気に縮める性質を持つ、自己PRの新たな形なのではないだろうか。

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