お母さん主導のまちづくりイベント「要町ご近所フェスティバル」

お母さん主導のまちづくりイベント「要町ご近所フェスティバル」

2016年1月19日
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お母さんによる町おこし「要町ご近所フェスティバル」誕生

要町ご近所フェスティバルは、要町にあるカフェでの何気ない会話から始まった。ベビーマッサージ教室を主宰している村串さん、子ども家庭科教室を主宰している深野さん、そして当時のなんてんcafeの店長の3人。

「ママイベントってなんかちょっとださいものが多いですよね」
「確かに、ママイベントは独特の雰囲気があって入りにくいです」
「ママイベントじゃないものに行ってみたいけど、子連れ目線で設計されてない場合が多いですよね」
「…やってみますか?わたしたちで」

そこからの動きは早かった。村串さんと深野さんは子育て中のママ。ふたりが「こんな人に出てほしい」「こんなコンテンツがほしい」を書き出し、早速出店者を集め始めた。なんてんcafé の店長が地域のカフェに協力を呼びかけ、会場提供を依頼した。そうしてできたイベントが「要町ご近所フェスティバル」だ。平日の昼間、赤ちゃん連れが気軽にカフェに訪れ、人目を気にせずワークショップに集中できる。大通り沿いのハンバーガーチェーンの軒先では小さな手作りマーケットを開催。地域のクリエイターやこだわりの食品ブランドが並んだ。要町駅を中心に、半径500mのエリア内、10軒のカフェやギャラリーが会場を無償提供した。資金は知り合いの会社などに協賛を依頼、来客は350名を超えた。要町に、新しい文化の芽が出た瞬間だ。

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「ご近所」という共感

「要町ご近所フェスティバル」は、地域のお母さんたちから生まれたイベントだ。今も実行委員として中心ではたらくメンバーは、お母さんが多い。しかし、「ママイベントにはしたくない」という思いも強い。もともとが、ママとカテゴライズされることやパッケージ化されることへの違和感から始まったこのイベント。お母さんが子連れで来やすいことは大切にしながら、どの世代の人が来ても楽しめるイベントにしたいという思いが強い。そこで、ママというくくりを外し「ご近所」というくくりを採用した。ご近所は、距離だけの問題ではない。心の近い所、思いに共感する人は、こころのご近所だ。

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有志たちによるアメーバー的組織

要町ご近所フェスティバルの特徴は、組織リーダーが不在という点だろう。それは意図的にそうしている部分がある。「こんなことしたい」と声を上げた人がコアになる。そのコアに共感する人が集まっていく、その中からイベントのリーダーを決める、そのリーダーを中心1回のイベントをやり遂げる、という流れを取っている。家族を中心に生活する母たちがメンバーに多く、組織リーダーを決めてしまうと、その人にだけ過度な負担がかかってしまうのではと想定してのことだ。誰かへ負担が偏るのを避けるために、今のところ最善だと思う方法がこの方法だったのだ。「人に対してやさしいこと、過剰な無理をしないさせないこと、対応が柔軟であること」を大切にし、都度有志が集まり開催している。

目に見えるところに手を抜かない

要町ご近所フェスティバルが大切にしていることのひとつに、目に見えるところに手を抜かないということがある。それはイベント全体のクオリティを高めていくためだ。「パッケージ化されたママっぽいデザイン」への違和感。その違和感を大切にすることにしたのだ。ロゴやチラシなど、目に見えて手に残るものは自分たちで作るのではなく、思いに共感していただいたプロに発注し、メンバーの中で印刷物やチラシの作成に仕事で関わっている人がチェックをしている。また出店者に関しても、基本的には紹介やスカウトの形を取っている。要町ご近所フェスティバルは、ママのためのバザーではなく、地域を盛り上げるためのコンテンツだという意識を大切にしているのだ。告知や集客は、それぞれのSNSネットワークやブログ、幼稚園仲間を最大限に生かす。また、ご近所力を生かし、地域の商店へのチラシの設置やポスティングなど目に見えない部分は人海戦術を行っている。こういった部分は、平日に比較的に動きやすいお母さんメンバーが力を発揮している。

これからの地域活性化の担い手

さて、今まで出てきたたち。いわゆるフルタイムで働くワーキングマザーとは少し様子が違う。彼女たちは専業主婦でありながら、手先の器用さを生かしててづくりアクセサリーを販売したり、前職時のスキルを活かしながら、スモールビジネスを展開しているお母さんなのだ。そういったお母さんを「ママ起業家」として批評する声も聞こえてくるが、私はその批評こそを疑問に思う。彼女たちの多くが価値観の中心に家族を置いている。子育ての合間に好きなものをつくり、ネットショップやイベントに出店しやりがいを感じている。お母さんになった途端社会と途切れてしまうのではなく、彼女たちなりの社会とのつながり方を見つけたのだ。むしろそういったお母さんに「プチ起業」と勝手に肩書きをつけ、もてはやし、突き放したのは誰かと思う。子育てや家庭を優先し、色々なものを手作りし、平日の昼に街へ出て、商店街や地元のお店をはしごする。こうしたお母さんたちこそ、地域活性化の担い手になるのではないかと思う。少なくとも、要町ご近所フェスティバルからはそんな可能性を十分に感じた。

要町ご近所フェスティバル・クリスマスイベント

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12月23日(水曜祝日)、要町ご近所フェスティバルの2回目のイベント『要町ご近所フェスティバル・クリスマス』が開催された。今回は真冬の開催ということで、回遊型ではない。会場となる閉校施設『みらい館大明』との共催という形だ。今回は地域で過ごすクリスマスをテーマに、地域の美味しいものや魅力的なコンテンツをぎゅっと小学校に詰め込んでいる。2度目のイベントとなる今回は、地域の飲食店には限定のランチボックスを作ってもらったり、出店をしてもらうなどして協力を依頼した。また、思いに共感し協賛する企業も倍以上に増えた。今回からは、お母さんではない実行委員や、大学生のボランティアなど、イベントを作るメンバーの世代も広がった。着実に一歩ずつ地域での存在感を強めていくイベントに、今後も目が離せない。

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