世界で躍進を続けるInstagramが大切にする3つの価値観

世界で躍進を続けるInstagramが大切にする3つの価値観

2015年10月16日
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写真と動画に特化したSNS、Instagram。自分が撮った写真をフィルターなどの編集機能を使ってアーティスティックな1枚に加工できたり、ハッシュタグで同じ興味ジャンルの人と写真を介してゆるくつながることができる人気のサービスで、TwitterやFacebookとの連係も簡単・・・・・・などという説明はもはや野暮というほどに、人気かつ話題となっているサービスである。

約5年で3億ユーザーを突破

それもそのはず。2015年9月23日、Instagramは、InstagramのMAU(月間アクティブ利用者数)が、全世界で4億人を突破したと発表した。この数はTwitterの月間アクティブ利用者数3億1600万人を超えている。と同時に、3億ユーザーを突破したという発表から9カ月経たずしてのこの発表であり、最近肌で感じていたInstagramの勢いをデータで裏付ける結果となった。
http://blog.instagram.com/post/129662501137/150922-400million

日本においても、2015年6月末時点でMAUは810万人を超え、1年前から倍増しているという。この件に関するInstagram社のコメントによると、「Instagramのコミュニティの75%以上は米国外からの利用者、新たに加わった1億人の半数以上がヨーロッパ、アジアからの利用者です。また最もインスタグラマー(インスタグラムの利用者)が増えた国には、日本、ブラジル、 インドネシアが含まれています」とのことで、日本だけでなく世界中で多くの利用者を獲得していることがわかる。

こうした人気の高まりを受けて、企業アカウントの参入や広告のテスト導入も始まり、2015年10月1日から全ての企業が広告配信可能となった。今後しばらく盛り上がりが続くであろうInstagram。ここで一度、Instagramの来歴をおさらいしながら、この成功の鍵となる要素を探ってみたい。

2010年にAppStoreに登場、2年後には10億ドルの値が

2010年10月6日、iPhoneアプリ「Instagram」がAppStoreにリリースされた。リリースから3カ月となる同年末にアプリの利用者数は100万人を突破している。ちなみに2010年6月にはRetinaディスプレイ搭載のiPhone4が発売、2011年10月には800万画素とカメラ機能を大幅にアップさせたiPhone4sが発売され、スマートフォンで写真や動画を撮影し共有する手軽さと楽しさが、広く浸透してきたのもこの頃だろう。

そして2012年4月、FacebookがInstagramを買収。買収直前のユーザー数は約3000万、この頃はまだiOS版のみでの提供だった。当時、従業員13人の小さな会社にFacebookが10億ドルを投じて大いに話題となったことは、ご記憶の方も多いだろう。

買収後、2012年4月にAndroid向けにサービスを開始、月間アクティブユーザー数は2013年2月に1億人、2014年3月に2億人、2014年12月に3億人、2015年9月に4億人を突破、という快進撃を続けている。

Instagramが世界的に受け入れられた背景には、来るべき時代を見越してパソコンでなくスマートフォンに特化したことや、TwitterやFacebookなどユーザー数が多く影響力のあるSNSへ美しい写真を手軽に共有できるというユーザー体験を重視したこと、質の高いコミュニティ形成を心がけたことなどが挙げられる。さらに、Instagram自身が意識してのことかは定かでないが、セルフィー(自分撮り)が流行したり、ジャスティン・ビーバーやオバマ大統領、デイビッド・ベッカムなど各界のセレブリティが利用し多くのフォロワーを集めたことも、Instagramの地位を確固としたものにしているといえるだろう。

Instagramが大切にしている3つのコト

こうして発展を続けるInstagramが大切にしているのが、「コミュニティ」「クリエイティビティ(創造性)」「シンプリシティ(簡便性)」、の3つのバリューだという。

1つ目のコミュニティに関しては、様々に活用されているハッシュタグもその1つの形といえるし、ユーザーが自発的に集まるイベント「Instameet」の開催、また、ユーザーの声から新たなアプリが生まれたりしている。こうしたコミュニティ形成のために、創業者のケヴィン・シストロムとマイク・クリーガーが、彼ら以外に最初に採用したのがコミュニティマネージャーだったという。サービス開始初期に熱狂的なファンを作り、その後も居心地の良いコミュニティを維持することでユーザーの離脱を防いできたことが、新規ユーザーの獲得と同じかそれ以上に、今日の発展に寄与しているのである。

続くクリエイティビティについては、Instagramは、ユーザーが自由に表現でき、ユーザーどうしが感化し合えるプラットフォームであることを目指しているという。

最後のシンプリシティについても、高度な写真や動画の編集機能をもちながら、初心者から上級者までが直感的に利用できる操作性の良さと仕上がりの美しさを強みにしている。

蛇足ながら筆者自身の体験を振り返ると、日本におけるInstagram成功のポイントは「InstagramならSNS疲れしない」ところにもあると感じている。巷間あちこちで指摘されているとおり、実名でユーザーのプロフィールもはっきりしているFacebookでは、これまでの実生活での知人友人と旧交をあたためたり、オンラインでの新たな出会いによってビジネスにも発展するような知己を得ることもある一方で、発言する内容や公開範囲にいちいち気を使ったり、「いいね!」やコメントもひと呼吸置いて相手や周囲の人間関係を考えたりする。また、Facebookの仕様とはいえ、知人の政治思想や意外な趣味嗜好を垣間見ることもあり、複雑な思いになることも。

また、Twitterも情報収集に便利で人間関係もあっさりして気楽と感じる一方で、あまり心地良いとは感じない発言や画像がRTで流れてきたり、いわゆる「炎上」を目の当たりにすると、気が付くと足が遠のいているというのも現実である。

その点Instagramの場合には、流れてくるのはフォローしている人の写真だけ。Likeを押すのも気が楽だし、自分が投稿するのも手軽である。何より、撮影のセンスがなくても、加工によってプロっぽい写真が残せることも嬉しい。人とのつながりも、他のSNSに比べてゆるやかで気楽である。こうして書き出してみると、まさにInstagramが大切にしている3つのバリューに、いちユーザーとしても魅力を感じていることがわかる。

10月からは日本での広告掲載も全面解禁されるInstagram。日々Instagramを愛用しているユーザーとしては、この心地良さがいつまでも続いてほしいと思う。

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