クラウドファンディング総合研究所所長、板越ジョージの創る「夢を叶えるプラットフォーム」

”クラウドファンディングって何?”

皆さんは「クラウドファンディング」(以下、クラファン)というサービスをご存知だろうか。

ものすごく簡単に言うと、「自分が実現したいと思っていることをクラファンサイトを通して社会へ発表し、それを見て面白いと思った一般市民から投資をしてもらい、軍資金を調達する」ことができる場である。つまり、実現への”キッカケを与えてもらえる場”なのだ。

もちろん、夢をかなえるチャンス、夢をかなえる可能性を底上げできるサービスとは言っても、誰もがただ単純に「やりたいこと=プロジェクト」を投稿すれば、即座にかなうというわけではない。クラファンが一体どんなものなのか、クラファンを利用して夢をかなえるためにどう考えれば良いのか、そして「共感」を呼び起こすためにはどうすればいいのか、という領域において、未だこのクラファンを知らない人たちに「夢のかなえ方」を教え、will(やりたいこと)を持つ人達をBOOSTしている人物、それが今回インタビューの対象となった「板越ジョージ」という人物である。

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板越 ジョージ

以下、板越さんを知らない方々には一度読んでいただきたいが、既に知っているという方々は今回のインタビュー箇所までスクロールすることをおすすめする。

ニューヨーク在住の国際経営コンサルタント、海外進出プロデューサー、クラウドファンディング評論家、著述家、大学講師。 Global Labo, Inc.(NY)代表、(株)クラウドファンディング総合研究所所長、中央大学政策文化総合研究所準研究員、中央大学ビジネススクール戦略アカデミーフェロー、成城大学招聘講師、在NY日本国総領事館海外安全対策連絡協議会委員、坂本龍馬財団理事。元ジャニーズジュニア。血液型A型。東京都葛飾区出身。

主な著書
「とにかく、どこかの会社にもぐりこむための77のヒント」扶桑社1999
「リベンジ人生道場」扶桑社2002
「グラウンド・ゼロ」扶桑社2002
「結局、日本のアニメ、マンガは儲かっているのか?」ディスカヴァー・トゥエンティワン2013
「アニメ・グローバル競争戦略再考」ディスカヴァー・トゥエンティワン2014
「クラウドファンディングで夢をかなえる本」ダイヤモンド社2014

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板越ジョージ – Wikipedia より抜粋・引用

”お金を集める上でのキーワードは「共感」である”

板越ジョージという人物が何をしようとしているのか、をお話しする前に、「クラウドファンディング」という言葉に馴染みのない方のために、ごくごく簡単な歴史を記しておくので、是非ご一読頂きたい。

遡ること17世紀。今のクラファンモデルの大元は書籍の印刷代を募るために使われた寄付ビジネスモデルと言われている。寄付の見返りとして寄付者の名前を標題紙に掲載する、というスタイルだ。1884年には、「自由の女神像製作委員会」が資金調達するため、ニューヨーク・ワールド(新聞)で、アメリカ国民に対し寄付を出願し、半年間でおよそ10万ドルもの寄付額を記録した。寄付した人数はおよそ125,000人というから驚きである。初期にも関わらずこのモデルが浸透したキーワードは、やはり「共感の度合い」なのだろう。

今でこそSNSといったコミュニケーションツールが広告媒体として機能しているが、昔は当然そんなものは存在していなかった。紙媒体と口コミだけでこれだけの集金と共感を生んだという事実からもわかる様に、クラファンのモデルは昔から人々に受け入れられる可能性は多いにあったと言える。

現代に存在しているクラファンは、寄付型のほかにも、金銭のリターンがある「投資型」、会員カードやサービスチケットなどの何らかの権利であったり、プロジェクト内で製作した物品を購入することが支援となる「購入型」など複数存在している。

中でも、2011年4月から開始したREADYFOR?を皮切りに、CAMPFIREMotionGalleryなどの「購入型」クラファンの領域では、法規制が投資型ほど厳しくない点や、企業・個人双方の夢をかなえるというコンセプトが共感を呼び、相当な広がりを見せている。 徐々に広がりつつあるクラファンだが、まだまだ日本ではクラファンを知らない層が非常に多く、このツールを知らないがために、胸の内に秘めたまま終わってしまうwill(やりたい・実現・達成したいと思っていること)は山ほどあるのだ。

”クラファンが持つメリットと課題”

良い話ばかりに聞こえるかもしれないが、その反面、課題も多くある。黙っていても局所的なところからジワジワと広がっていくかもしれないが、前段で話した様な「第三者に理解と共感を求めるためにはどうすれば良いのか?」という部分のハードルはやはりこのツールを使用する人たちにとって障壁となる可能性があるし、それに加えてクラファンが広がるスピードを急上昇させるための力が今、必要とされているという事実も同時に存在している。

その課題にどう立ち向かっていくのか、板越さんにお話を伺ってみた。

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元ヤン起業家と称されていたときもあった板越さん。「日本に来たらカプセルホテル泊まってるよ」なんて気さくに話してくれる、独特のフランクさがある

−板越さんは、今「グローバルラボ」という会社を経営されていて、「will(やりたいこと)を持った若い起業家や学生、パフォーマーなどが海外進出する際の支援を行なっている」、とのことですが、今回のクラウドファンディング総合研究所を設立したというアクションは、グローバルラボの今後の動きにもリンクしているのでしょうか?

板越さん(以下、敬称略) もともと、グローバルラボは『海外進出にチャレンジしたいと考えている人達の背中を押す機関を作りたい』というプロジェクトを「Makuake」というクラファンに投稿して、設立資金を調達した、という経緯があります。目標額は500,000円でしたが、それを大きく上回る2,616,400円が集まりました。なので、実体験として、支援をより具体的に行う上で、クラウドファンディングというツールがその実現可能性を引き上げるツールとして非常に価値が高いと感じていたのです。グローバルラボの支援ノウハウとクラファンをリンクさせることで、「一人でも多くの夢を持つ人の背中を押せるはずだ、そのためにもクラファンをもっと多くの人に知ってもらう必要があるのではないか?」、そう思い、今回の会社設立を決行したのです。

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−READYFORや他クラファン企業の伸びを見ると、一般層にも広がりつつあるのかなという雰囲気は感じますが、日本ではまだまだクラファンを知らない人達は多いのでしょうか?

板越 局所的に盛り上がっている、という感じで日本全土でクラファンがメジャーなツールとして認識されているかといえば、やはりそのステージにはまだ来ていないと思います。GDPで比べたらアメリカは日本の3.4倍をマークしていますが、クラファンで集められた最高資金額を見てみるとアメリカは日本の78倍をマークしている。僕の感覚からすると、ここまでの大差がつくっていうのは単純に普及率の差なのではないかなと感じています。投稿されたプロジェクトのサポーター数もかなりの開きがあります。そういったデータを見ていくと、やはりまだまだ日本にはクラファンを知らない人達がたくさんいると再認識しましたし、ということはつまり夢が夢のまま終わっている人達も多いということなのではないか、とも思いました。

−クラファンをより知ってもらうためには、このサービスが自分にどれだけの可能性やチャンスを与えてくれるのかを、わかりやすく広報していく必要があると思いますが、クラファンを利用するメリットとしては何が挙げられるのでしょうか?

板越 まずひとつは、「プロジェクトリスクが低い」という点が挙げられます。起業家が資金調達をする際、投資家の方々や銀行といった金融機関と事業計画を通してマネタイズがどれだけ信憑性があるのかを突き詰めますが、やはり失敗したときのリスクをリカバリできず、それこそ共倒れしてしまうといった大惨事の可能性も多いにありますよね。しかしこれは「投資型」だから起こりうることで、「購入型」で資金調達をすれば、リターンが明確になりますから寄付や金融といったものではなく、お互いに対価を得られる、等価交換的イメージで了承し合えます。突き詰めて話はしてみたものの、成功するかしないか今の時点ではわからないというプロジェクトにお金を出すといった従来の大型投資と比較しても、そのリスクの度合いは低いと言えます。
そして、ふたつめは「資金集めだけのツールではない」という点です。プロジェクトが本格的に走り出す前に、企画の段階からみんなに自分がやろうとしていることを知ってもらえる発表の場としての機能があるため、ここでの反応を見ることがテストマーケティングになりますし、PRする場としても利用でき、どの程度の注目を集めどの程度の資金を集めているのかがリアルな数値として掲載されていることから、社会的な信用度も上がります。ベンチャーキャピタルや投資家から資金調達するやり方もひとつだと思いますが、クラファンを利用することによって得られるメリットは非常に大きいので、これから何かプロジェクトをたてようと思っている方には是非一度そのメリットを体感して頂きたいですね。

−クラファンのメリットは理解できましたが、やはりただ単純にプロジェクトを投稿するだけでは資金調達ができないことから、緻密な計画であったり、各業界のプロ知識や共にプロジェクトを進行していく仲間がいなければなかなかお金を集めることができないといったハードルもあるかと思います。ここに関してはどうお考えでしょうか?

板越 もちろん、そういったハードルを下げなければいけない、というのも課題のひとつです。そして、それと同時にクラファンは単なる寄付を募るサイトではないので、無理矢理人からお金を集める様なものではありませんし、そういった考え方であったりマインドの出元はアメリカということもあって、それをそっくりそのまま持って来た時、日本に受け入れられるのか?という部分も課題であると感じています。僕がまずクラウドファンディング総合研究所でやろうとしていることは、クラファンを広めるだけでなく、深めていくことです。クラファンに投稿されているプロジェクトの事例研究であったり、データ検証されていないところをしっかりと突き詰めていくことで、日本でも有効活用できるクラファンでお金を集めることができるノウハウを提供していきたいのです。アメリカにいる弊社のスタッフと連携し、そのノウハウをより日本的にしていく、つまりローカライズしていくことが先ほど述べた「深めていく」という部分にあたります。誰でもアイディアがあれば夢をかなえられる時代になりつつある反面、独りよがりなプロジェクトだとやはり共感を生むことが難しくなるため、結果お金が集まらず実現もできないという残念な収束を迎えてしまいます。クラウドファンディング総合研究所ではより実現達成の可能性を底上げできる様なサービスを提供していき、課題となっているハードルの引き下げをしていきたいと考えています。

−これから「やりたいことを実現する」ための資金調達を考えている人達は皆気になっているところかと思いますが、クラファンで資金調達を行う上で、重要なポイントになるのはどういったところなのでしょうか?

板越 僕が良くセミナーなどでお話しているのは、「1/3の法則」です。これを知っておくだけで、資金調達の成功率はかなり上がります。まず、目標金額の1/3は、「自分の知り合い・友人」からいれてもらいます。まず身近な人に自分がやろうとしていることの魅力を伝えることができなければ、その他の人からの投資は見込めません。そして、次の1/3は「知り合いの知り合い」から、そして残りの1/3は「その他の人達」つまり、「クラファンでそのプロジェクトを見て、魅力を感じた人達」から投資をしてもらいます。このフローを理解した上で資金調達プランを練るのが良いでしょう。

”クラウドファンディング総合研究所の「5ヶ年構想」とは?”

−板越さんは「夢をかなえるためのプラットフォーム」が出来上がるのに、どのくらいの期間がかかると考えているのでしょうか?

板越 僕の今回のクラファンを知ってもらう活動、そして夢をかなえるノウハウ提供とプラットフォーム作りは今後5年かけて行っていきます。日本とアメリカの「78倍の差」を狭めていくためには、やはりそれなりの時間と労力がかかりますから、今この初期のタイミングで何かできるかがとても重要なポイントだと考えています。先ほども述べましたが、今回の活動には本業であるグローバルラボともリンクしています。今直近で行っていることは、グローバルラボでデイリー5本ずつアメリカの良記事をキュレートし、最新の事例のローカライズを行なっています。こちらは、将来的にメルマガで定期配信していくことを想定して動いています。それと同時に、全国をまわりセミナーを通してクラファンとは何か、夢をかなえるノウハウの大前提となるその仕組みとまずすべきことをわかりやすく解説し、その内容をネット上だけでなくフィジカルにバイラルさせていくことも行なっています。今は所構わずという感じで前のめりに走っていますが、9月を一度の区切りにし、それからは東名阪、福岡をセミナーの拠点にしていく予定です。メルマガ配信についてのチーム構築もこれからやらなければいけないところですし、将来的に必要になるチームの構築なども今後対応していかなければならないことです。そして、何よりもパラレルでやるべきは、フィジカルに「やりたいことがある人の背中を押すこと」なので、クラファンに投稿されたプロジェクトの資金調達コンサルも続けていき、ひとつでも多くの夢がこの世界で花開き、実現させられる様に尽力したいです。

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インタビュー当日、人形町にあるShareOffice assetsにて板越さんのクラファンセミナーが開催されていた。
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この写真(一番右下が板越さん)では普通だが・・・
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メンターの紹介欄にでている写真では何故か空手家になっている

”人生で2回味わった、大きな失敗と挫折から生まれた発想”

−しかし、これだけの実績と経歴がある方にコンサルを受ける、となるとコンサル料も高額になるというのは容易に予想できますし、お金のないwill(やりたいこと)持ちの人からすると「ノウハウ提供してもらうだけでクラファンで集めたお金がなくなっちゃうし、低額なプロジェクトだとそのお金すら払えない。それって本末転倒じゃない?」なんていう意見もでそうですがどうでしょう?

板越 僕は今まで2回大きな失敗と挫折を体験しています。今回は3度目の正直ということもあって、特別な思いがあります。人間って失敗すると、冷静に自己分析する時間が自然と訪れるんですよね。それを境に、自分に欠けていたもの全てをしっかりと認識し、反省しました。ですが、前向きに受け入れることをした反面、完全に鬱状態でもあったので、次のアクションに移り笑顔でこうして話せるようになるまでは結構時間がかかりました。僕が当時やっていたアニメ・キャラクターグッズの販売会社は、2000年のネットバブル崩壊に加えて、翌年には同時多発テロまで起き、経済へのネガティブな影響をもろにくらって潰れました。一時は、あと一歩でアメリカで日本人最年少株式公開できる、なんて注目されていましたが、嵐の後に残ったものは多額の借金と、自責の念だけでした。しかしこういった自分の失敗体験は、これから芽吹いてくるであろう起業家や実現したいことがある人達にとっては非常に有益な情報になるのではないかと思い、少しずつそういった意思を持つ人達のコンサルをする様になったのです。今日も名古屋の若手起業家とお話しましたが、僕は彼からコンサル料は取ってません。お金がない中で、でも歯を食いしばってやってる意思ある人からお金を取るだとか、そういうことはやりたくないんです。しかし、こういったコンサルもそうですが、自分のやっていることでマネタイズができているということは社会的信用を持つという観点では必要になってくるところですから、プライオリティの順位をどうするかであったり、そういったジレンマの様なものは確かにあります。今は特にセミナーをやったりノウハウ提供の足場を作っている最中で時間もないですが、30分でも時間が空いたときはこうして相談にのったり、自分にできる情報提供を積極的に行っています。

−自分のやりたいことをやるためには、多少のリスクというものはつきものだと思いますが、そのリスクのハードルを下げることで参入の幅を広げ、さらに進んでいける道筋を提供してくれるプラットフォームができるのは、起業家やこれから何かをやりたいと考えている人達にとってはかなりの後押しになりますね。

板越 これは自分にも言えることですが、何かやるなら、「それをやってる自分って幸せだなあ」と感じられないとダメだと思うんです。僕もこのクラウドファンディング総合研究所、グローバルラボでやっている仕事に対して今幸せを感じながらやっていますし。幸せを感じながらやっているところには、自然と他の幸せが引き寄せられるんだなあと最近良く感じます。ちょっとスピリチュアルな話になってしまいますが、今僕がやっている無料コンサルなどはある意味「徳を積んでいる」のと同じだと思ってます。若手に知識を投資することが、後々の自分にとって財産になると思っていますし、自分が提供したこと、ものによってやりたいことがある人達が幸せにやりたいことをやっている、そういった景色をこれからもっと増やしたいと考えています。

−5年で夢をかなえるプラットフォームを作った後はどうされるんですか?

板越 自分が経験したことや、これからの5年で培われるであろうナレッジは教育であったり、そういった公共の場でも活かせると思っています。ですので、今回の5ヶ年構想が実現した後もその時代に沿って必要となる情報を教壇に立って伝播していきたいと考えています。

”クラウドファンディングは、やりたいことがある人の背中を押すひとつのツールである”

まだ日本では広まりきっていないクラファンだが、その伝播スピードは日に日に増加している。各クラファンには「社会活動」「芸術活動」「文化活動」等、やりたいと考えているもののカテゴリが複数あることからもわかる様に、特色があるため、やりたいことによって、その専門のサイトを自由に選ぶことができる。これを機に、あなたもクラファンを覗いてみてはいかがだろうか。

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渋谷にある森の図書館はクラファンによって建立された、お酒を飲みながら読書を楽しめる都会の隠れ家。
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製作資金や吉祥寺の店舗設立資金もクラファンで調達したKnot

上に挙げた2つのプロジェクトの様に、実は自分たちの生活のそばにクラファンによって生まれたものが実際に多く存在し始めている。街中で見かけた何かが、既に掲載されているプロジェクトだったりするかもしれない。

我々のすぐそばにある、「夢をかなえる場所」。
クラファンは今、そんな存在になりつつあるのだ。

20 comments

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