次世代を代表するデザインが日本から生まれるかもしれない、その理由

次世代を代表するデザインが日本から生まれるかもしれない、その理由

2015年4月24日
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世界を代表するデザインと言えば、何を思い浮かべるだろう?また、そういったデザインを多く輩出している国といえば?どことは分からなくても、デザインという分野は欧米なり、諸外国がリードしている、漠然とそう感じている人は多いのではないだろうか。だが、次世代のデザインは日本から生まれるかもしれない。少なくとも、その可能性は十分にあるのだ。

デザインとは、問題解決である

そもそも、デザインとは何だろうか?wikipediaには、下記の記載がある。

“デザインとは、ある問題を解決するために思考・概念の組み立てを行い、それを様々な媒体に応じて表現すること”

デザインとは、問題解決である。これは、デザインという職業が身近な人にとっては浸透しつつあるが、そうでない人にとってはあまりピンとこない表現ではないだろうか。ともすれば、デザインとは美しい、かわいい、クール等の“装飾”を施すことと考えている方もいるだろう。

例えばダイソン株式会社が発明し、2010年にGOOD DESIGN賞を受賞したこちらの扇風機がある。

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出典:http://www.g-mark.org/award/describe/36333?token=S9W5lFtlPH

果たしてこのプロダクトは、美しいから、クールだから“GOOD DESIGN”なのだろうか?下記が審査員の評価ポイントだ。

“まず第一に、世界一安全な扇風機を開発したこと。毎年、世界中で扇風機に幼児が指を入れたりして事故が発生している。この扇風機では、まずその安全性を評価したい。羽根がないことにより、掃除が簡単であったり重心バランスが下部にあることで、安定性も抜群である。”

出典:http://www.g-mark.org/award/describe/36333?token=S9W5lFtlPH

見た目が重要でないというわけではない。ただ、デザインには“問題を解決する”という目的があり、その解決方法のスマートさが、結果的に美しい、クールといった形で見る者、使う者に感じさせるのではないだろうか。

課題先進国、日本

では、このデザインの定義、役割と、日本から次世代を代表するデザインが生まれることに何の関係あるのか。

“課題先進国”という言葉がある。現在直面している問題に関して、他国をモデルとして参照することができない国を言う。そして、小宮山宏・東京大学総長および三菱総合研究所理事長によれば、今まさに日本は、環境問題や少子化、高齢化、地域の過疎化、エネルギー供給問題などといった、他の国がまだ直面していないレベルの問題をいくつも持つ、課題先進国であるというのだ。

デザインがある問題を解決するために、思考・概念の組み立てを行い、それを様々な媒体に応じて表現することであるならば、課題先進国、つまり、まだ誰も解決していない問題に溢れているということは、新しいデザインが誕生するチャンスでもあるということだ。また、一番最初に解決すれば、どこの国もその解決法を取り入れたくなる、まさに、次世代を代表するデザインを生むということに他ならない。

新しいデザインを生むのが、“デザイナー”とは限らない

何か新しい問題に気づき、その解決法を表現するのに、illustratorやphotoshopといった専門的なツールを使いこなせるかどうかは必ずしも重要ではない。そういう意味では、現在デザイナーと呼ばれている人はもちろんだが、そうでない人だって、新しいデザインを生む可能性は十分にある。

とはいえ、日本から次世代を代表するデザインが生まれるとは想像しにくい、また、自分にはそんな才能はない、無関係な話だ、そう思う人もいるだろう。

2012年、Adobe社が、米国、英国、ドイツ、フランス、日本の成人を中心に、“クリエイティビティに関する世界的な意識調査”というものを行った。その結果では確かに、大半の日本人は、自らをクリエイティブであるとは考えていなかったようである。しかし、同じ調査で、日本は世界で最もクリエイティブな国に選出されているのである。意外と日本人は、自らのクリエイティビティについて、気づいていないだけではないだろうか。

何か身近な問題に対して、自分なりのやり方で行動を起こすこと。それが最終的には、新しいデザインとして認知されることになるかもしれないのだ。

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