【SOCAP15 キックオフイベントレポート(前編)】東京目黒にあるImpact HUB Tokyoはアントレプレナー達の出会いの場

【SOCAP15 キックオフイベントレポート(前編)】東京目黒にあるImpact HUB Tokyoはアントレプレナー達の出会いの場

2015年6月29日
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Black&White

(画像提供:Impact HUB Tokyo)

“世界をもっと持続可能で、エキサイティングなものに”

2013年2月11日、Impact HUB Tokyoは、グローバルなアントレプレナー達のコミュニティである世界最大規模のグローバルなコワーキングスペース「Impact HUB」の一員として、東京・目黒にある440平米の印刷工場をリノベーションしオープンした。「Grow(育つ)・People(コミュニティ)・Space(場)」という3つの観点を重んじ、「Questioning(現状に対する問いかけ) + Action(行動) = Impact(インパクト)」をコンセプトに、起業家が集まる”コワーキングスペース”という枠組みを超え、世界に変革をもたらし、互いに学びや知識、経験、ネットワークのシェアを実現することを目指す場として機能している。

 

 

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(写真提供:Impact HUB Tokyo)

槌屋 詩野 株式会社HUB Tokyo 代表取締役&共同創設者

国際協力NGO勤務を経て、シンクタンクにて環境・社会的責任投資分野で事業プロデューサーとし て活動。その後、途上国および欧州で日本企業のソーシャルビジネスを担当する。2012年より東京 に戻り起業し、ソーシャル・スタートアップのコミュニティ、Impact HUBの東京拠点「Impact HUB Tokyo」を設立。2013年より起業家育成プログラムを「Team360」や海外からの起業家プログラムを担当、年間数十名の起業家たちの最初の一歩を踏み出す手伝いをしている。

 

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(写真提供:Impact HUB Tokyo)

ポチエ真悟(ポチエ シンゴ) 株式会社Hub Tokyo 取締役&共同創業者

ロンドンにて大手金融機関などで投資・債券取引業務を経験し、独立。その後、ロンドンにてスタートアップの戦略立案に関わるようになり、テック系スタートアップのCFO経験、資金調達も多々経験する。Impact HUB TokyoではCFOをつとめ、ブレない経営をしインパクトを生み出す起業家を育てることに最大の関心がある。現在、個々の起業家支援よりもシステム的アプローチにて社会的課題を解決する研究を経て、Open Impact Systemsをグローバルに構築中。

 

Impact HUB Tokyoには、起業家以外にもアーティスト・ウェブデザイナー・フリーランス・NPOのリーダー・一般企業に属しており今アイディアを育てていて事業や活動を創りだそうと準備している人、など様々なアントレプレナー(ここでいうところのアントレプレナーは、日本語での直訳である「起業家」ではなく、広義の意味合いを持っている。)が集まってくる。

「世界中の人々が、現状(Status Quo)を疑い、その潜在的な可能性をもっと解き放てば、世界はもっと持続可能で、エキサイティングなものになる」という理論を源泉として取られているアクション、つまりこの拠点から発信されているモノ・コト・ヒトの情報は、ここに集うアントレプレナー達の潜在的な可能性を引き出すための仕掛けなのだ。

2013年には45都市だったが、2015年6月現在、全国約73都市にImpact HUBが存在し、Impact HUB Tokyoに集うメンバー数も150名を超えるなど急成長中している。

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(写真提供:Impact HUB Tokyo)

“Impact HUBはロンドン北部の倉庫街、イズリントンからスタートした”

そもそも、このImpact HUBの原点は何だったのだろうか。

今から遡ること10年前、2005年イギリスはロンドン北部に位置する倉庫街、イズリントンで「強固なネットワークを持つコミュニティを作ることが、”実現可能性”を高めることにつながるのではないか」という意思が発生したことがそもそものはじまりである。それから、社会課題をビジネスで解決する人達が自然と集まり、コミュニティを形成しはじめ、Impact HUB Islingtonとなったのだ。その後、サンパウロ、アムステルダム、サンフランシスコなどにもその意思が伝播し始め、そこからは自然発生的に人から人へ、国から国へ、情報が行き渡り、各国でImpact HUBと同じマインドを持ったコワーキングスペースが開設されていった。

その当時、槌屋氏はロンドンのImpact HUBを出入りしており、知り合いの起業家からImpact HUB Westminsterのメンバーであった現・共同創業者のポチエ氏を紹介され、Impact HUB Tokyoの設立を想起したのだという。

 

「Impact HUBはヘッドクオーターがあって広げようとした組織ではなく、意思・ブランドを共有したフラットな組織です。運営上、全ての統括はオーストリアの首都ウィーンにある非営利法人Impact HUB Companyが行っていますが、各々のImpact HUBは完全に独立しており、その運営体制も国によって異なり非営利から営利まで様々です。共通しているのは、ローカルの起業家によってイニシアティブがとられ、チームが形成され設立されるという点が挙げられます。また、それぞれのHUBにいるホスト(Impact HUBではそこで働くスタッフのことをホストと呼んでいる)が、その場所のコミュニティを作り上げていくという点も特徴のひとつです。そして、その様な一連のアクションにおいて、わたしたちは共通して大切にしているマインドがあります。
このマインドについては、よく山登りを例にとってお話しすることが多いのですが、例えば一人で孤独に山を登っていると、滑落しそうになったり、高山病にかかったりと、何度となく心折れそうになる体験をすることがありますよね。山の向こう側の景色は、アントレプレナーにとって将来見てみたい新しい世界像であり、ビジョンですが、山を登っている人たちの中でその景色が見れる人たちは一握りであるという厳しい現実も当然存在しています。
今までは一度失敗した人のフォローアップがあまりフォーカスされておらず、志半ばで夢を叶えられなかったという人たちが再度チャレンジできる様な、具体的なケア施策やベースになる場がありませんでした。そこで、わたしたちは共に学びながら山を登っていく様な同志の力に着目し、コミュニティでアイディアや情報を共有連携しあい、もう一度山を登りきれるれる人を増やしていこうと考えました。つまり、「達成のためのベースキャンプとして機能していこう」というマインドを持って、わたしたちは活動しているのです。」

とImpact HUB TOKYOのホスト、岩井氏は言う。

 

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世界中のHUBから集まったデータをインフォグラフィックスにしたカードが、HUB Tokyo内の壁に展示されている。

(写真提供:Impact HUB Tokyo)

 

岩井氏の発言通り、Impact HUB Tokyoのフォローアップにおける強みは、海外各拠点との「絆」にもある。

具体的には、Impact HUB Tokyoだけでなく、 Impact HUBのグローバル・ネットワーク全体でも、アントレプレナー達にビジネスモデルを確定していく「起業家育成プログラム」や、共同学習の場、そして海外に行って仕事をする際の「場・コミュニケーションパス」などを、「グローバルパスポート」と称して提供している。

各国で活動するアントレプレナーたちが「意思をもったお金の流れ」を体感できる仕掛け・仕組みを整えることで、日本は東京だけではなく、海外に広がる各拠点の全てがHUBとなり、彼らの背中を押しているのだ。

”アントレプレナーにとって本当に必要な設備とは?”

Impact HUB Tokyoの門構えは、印刷工場をリノベーションしたということからもわかる様に、非常に無骨なイメージだ。まさに職人気質で強い意思を持った人たちが集まっていそうな雰囲気がすでに漂っている。

中にはいってみると、料理もかなりはかどりそうな機能性高いキッチン、その手前にはざっくばらんに来た人同士がトークできる開放感あるカフェラウンジがあり、また、アイディアをディスカッションしあえるフリースペースが併設されている。その他にも、使い勝手良さそうな広々としたイベントスペースがあるなど、一通り必要となるものはここに来れば全て揃っている、という感じだ。ノートパソコンと身ひとつあれば長時間ワークでもストレスフリー、それが瞬時に認識できる機能性高いコワーキングスペースである。

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詳しくはこちらで確認できるが、簡単に用意されているものを挙げておく。


デスク、ワークチェア、Wifi (セキュアWifi)/複合機プリンター、スキャナー、電源、シュレッダー

メンバーが自由に使えるキッチン、冷蔵庫、調理器具、本格エスプレッソマシーン
予約制ミーティングルーム2つ、カフェラウンジ、ソファラウンジ、100平米イベントスペース
駐車場、駐輪場 個室、固定席、ストレージ
法人登録やメールボックス


上記に挙げたものがあれば、仕事をするには何も困らない。しかし、Impact HUB Tokyoのホスト、岩井氏と山口氏は、「このコワーキングスペースには、いわゆる仕事に必要とされているものが揃っています。しかし、ここにただ仕事をしにくるだけ、というアントレプレナー達は少ないので、こういった基本的な設備以外に何をもってしてメンバーの背中を押すか、という部分がポイントだと思っています。」と、口を揃えて言った。

「働くために必要な設備は、上に挙げたものだけではなく、自らが何をしたいと考えているのかを共有する場・発信する場であり、その共有・発信を行うための情報を得るためのネットワークや仲間を集められることこそがアントレプレナー達が求めていることなのだと、わたしたちは捉えています。」そう岩井氏は続けた。

Impact HUB Tokyoは様々なスタイルでアントレプレナー達の背中を押し、そこで形成された「コミュニティ」の中で同志が「育て」合う「場」なのだ。


Impact HUB Tokyo

〒153-0063 東京都目黒区目黒2-11-3 印刷工場1階

Hours of operation 平日 9:00-22:00 土日 10:00-20:00

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