コミュニケーションストレスを解消する特効薬「シェアする落語」

コミュニケーションストレスを解消する特効薬「シェアする落語」

2015年4月28日
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出典元:シェアする落語 – シェアする落語 第4回 春風亭正太郎 撮影 高島秀吉 | Facebook

皆さんが「落語」と聞いてまず思い浮かべるのは、「毎週日曜夕方に放送されている『笑点』で大喜利の前座的にやっているアレね!」というイメージだろうか。肩の力を抜いた笑いが大衆ウケし、今となっては、TV番組の構造上大喜利がメインになっているが、以前は落語がメインで大喜利は余興のコーナーと位置付けられていたそうだ。

さらに時を遡りもとを辿ると、落語の起源は仏教だという説がある。

戦国時代のお坊さんが仏教の話をしてもなかなか人が聞いてくれないので、それをおもしろおかしく話すことで聴衆の気を引いたことが始まりらしい。落語の始祖とされている人物は、戦国時代から江戸時代前期にかけての浄土宗西山深草派の僧である『安楽庵 策伝(あんらくあん さくでん)だと言われている。確かに、落語家が話をする場はお坊さんがお経を読むところと同じで「高座」と呼ばれていたり、手ぬぐいのことを「曼荼羅」と呼ぶところなど、随所にその由来を感じさせるところがある。

今回インタビューに応じてくれた四家氏は、まさにその「落語(落語家、落語界)」をBOOSTするべく、「シェアする落語」と銘打ってアクションを起こしている人物だ。

 

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“現代人は、今まさに落語を聴くべきである”

「落語は、今都会で暮らす日本人には必要なものだって僕は思うんですよ。コミュニケーションのストレスを解消するにはもってこいのツールです。」 と、身を乗り出して四家氏は言う。

そもそも何故、「落語を広めたい」というwill(意思)を持ったのだろう。

四家氏(以下、敬称略)シンプルに、『落語が好きだから』っていう理由でこの活動を始めたんですが、しいて言えば、何年か前にきちんと落語を聴く様になってから、自発的に発言・推奨する熱量の高いファン(アンバサダー)としてこの業界の背中を押したいっていう気持ちを強く持つようになりました。都内には上野・浅草・新宿・池袋と4件の寄席があり、昼夜交互に落語が演っているのですが、『もっと聞かれてもいい落語家の話が聞かれていない』という点と『落語をもっと聴きたいと思っている人がいる』というこの2点をつなぐパスがなかったので、僕がそれになろうと思ったのです。

-活動を始めてもうどのくらいですか?

四家 2012年の11月からなので、もうかれこれ2年以上活動していますね

-具体的に、『シェアする落語』とはどの様な活動内容になるのでしょうか?

四家 メインコンテンツとしては、年に2〜3回ぐらい、自分主催で『落語会』を開催してます。今後は年に4回はやりたいと考えてます。近日で言うと5月9日に第9回目となる落語会を開くのですが、基本的に、落語家のアサイン・場所決め・宣伝方法なども全て自分プロデュースです。

-つまり、完全自腹でやっている、というわけですね。

四家 そうです。落語会をやる場所にかかるのが大体3〜5万、他にも、落語家さんへのギャラやこの落語会の宣伝費とかもかかってきますし、そう考えると赤字になるのが普通なのですが、それでは続けたくても続かないですよね。なので、僕の『意思』に共感してくれた仲間にお願いしてパンフレットや写真などの宣材を製作・提供してもらったり、宣伝媒体もお金のかからないfacebookやtwitterを使ったりしてます。みんなでピザを割り勘で買ってシェアして食べるっていうのと同じで、落語を楽しむという空間をみんなでシェアすることが目的なので、かかる費用とチケット代金はトントンになるくらいに設定してます。

スタッフがボランティアで制作しているパンフレットを見せてもらったが、非常にクオリティが高いものだった。今後はパンフレットだけではなく、違った形での宣材も製作していくそうだ。

 

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“お客さんのシェアが、コンテンツになる”

四家 そもそも、「二ツ目」と呼ばれる若手落語家のために活動の場・顔と名前を売る場を作りたくて落語会を開くことにしたのですが、お客さんを呼ぶためにも、なにか面白い仕掛けが必要だなと。そこで思い付いたのが、SNSを使って、お客さんにも「生落語の面白さ」を周りの人に広げてもらう、つまり「シェア」してもらう、というコンセプトです。

-具体的には、どうやってシェアしてもらうのでしょうか?

四家 まず、僕と落語家さんとの対談コーナー「シェアタイム」は、写真撮影OKにしました。そして落語が面白かったら、撮った写真を使ってSNSでどんどんシェアしてくださいとお願いしたんです。けっこう皆さん面白がって撮影して、シェアしてくれるんです。高座の様子を撮影できる機会なんてほとんどないですし、面白いものは言いふらしたいですから。さらに落語会終了後、お客さんがシェアしてくれたツイートやブログ記事・写真などをtogetterでまとめて『まとめページ』として公開したところ、公開後すぐに1,000viewを超えてびっくりしました。会場が狭くてお客さんは21名しかいなかったんです。しかもこれがずっと増え続けまして、2年で8,000view超えました(http://togetter.com/li/405664)。この『まとめページ』は毎回実施していまして、お客さんの声から落語会の楽しさが伝わってくるコンテンツになっています。だいたい公開直後に2,000以上のViewがあり、その後も伸び続けます。出演された落語家さんの名前で検索するといい位置に出ることも多いので、落語家と落語会のPRに役立ってると思います。お客さんの力によって、落語会に来れなかった人とも落語をシェアできるのが『シェアする落語』なのです。」

 

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撮影:高島秀吉

 

“落語は、人の失敗談を集めた『失敗カタログ』。それが人々のストレスを解消させる薬になる”

四家氏の地道な活動と、来場したお客さん達のシェアが功を奏し、今では「今日ブログを見てここにきました」「togetterを見て来たんです」という声を良く聞く様になったという。写真を見てもらえればわかる様に、我先に写真を撮ろうと携帯を構える、お客さん達の熱量も相当なものだ。何故ここまでの盛り上がりを見せているのか、その理由は一体何なのだろう。

冒頭でも記したが、「落語は、現代人には必要なものだ」という四家氏の理論をさらに掘り下げて聞いてみると、その理由が、少しずつ垣間見えてきた。今のご時世、誰でもすぐにあらゆる情報を自ら手に入れられる世の中になったため、一人に任される情報量が増えすぎている現状がある。そこに現代人は少なからずストレスを感じているのではないか、と四家さんは言う。

コミュニケーションがバーチャル化し情報共有が簡単になった反面、フィジカルなコミュニケーションの場が以前よりも減少してしまったことを肌身に感じていた時、「生身の人間がちゃんと喋ってる世界に浸ることができる場を作りたい」と、そう思ったそうだ。

四家 なんの予備知識がなくても面白い落語を聴けば、「笑う」「泣く」「ぞっとする」という感情が湧き、自分の頭の中で映画が流れる。自分を見て誰かが話をしてくれているという感覚が、落語会では強く感じられるのです。そもそも落語とは、『失敗カタログ』ですから基本的に上手くいく話はないですし、『人間ってたいしたもんじゃあないよ、でもそれでいいじゃないか、失敗したって許してくれよ(笑)』という前提で展開していくものですから、失敗した自分を許してくれる、聞いている人の心に余裕を作ってくれるツールだと私は思っています。失敗を許せない世の中って辛いですからね。

-それはつまり、風刺の様なものが余裕を作ってくれると?

四家 そうです。風刺は上の者が下の者になるから成立するものです。道端で転んだ人を見て、『あいつどんくさいなあ(笑)』と小バカにする。でも反面、「自分にもこういうことあるわあw」と笑う、そういう笑いなんですよね。

-『そういうことあるある(笑)』という『共感の笑い』は確かに人を吸い寄せますよね。

四家 そう、だからその場に来て一度聴いてみたら、僕が今話してることも実際に体験してみると『あぁこういうことかあ』ってわかると思うんです。みんなでおもしろおかしい話を聞いて、笑うだけですが、スーッと心が晴れますよ。

-ただ、落語を聴きにいく、っていうアクションを実際にとるとなると、みんな腰が重たくなりますよね。

四家 そう、なので、初めの一歩、初めの壁の高さをどう下げるかが大切なポイントになります。その点、やはり体験してもらうことが第一段階で必ず必要になるので、今は地道に友人・知人を巻き込んで一緒に落語を聴きに行ってます。仕事帰りに飲みに行く感じで、落語を聴きに行くのは高額だと思っている人もいますが、本来かなり気軽にふら〜っと聴きに行けるのが落語なんです。500円、1コインで落語家の話を4回聴けるところもあるぐらいですから。

-えっ・・・?500円で落語が聞けるんですか?

四家 そうです、たった1コインなんですよ。だからね、皆が思っているよりもはるかに気軽に、ふらっと聴きにいけちゃうんです。今生きてる落語家が、今生きてる人に対して行う落語なので、話の内容も今風で楽しめると思いますし、何より、初めて落語を聴きに行くというハードルも、一度500円払って聴きに行ってみれば実はそんなに高くないんだなあって実感してもらえると思います。僕はそのハードルをいかに下げられるか、が皆にもっと落語を聴いてもらうための重要なポイントになってくると以前から思っていましたが、口で伝えてもなかなかこちらが思う様に伝わりにくいところがあるので、『誘って一緒に行く』という活動も地道にやってるんです。

“落語会の魅力は、その何が起きるかわからないという『ライブ感』にある”

落語会は、非常に『ライブ感』が強く、そこには即興性があったり、『予期せぬ何か』がある。例えば、今日はこういうお客さんだからこういう話をしようというのを直前に決めるそうだ。今日はお年寄りのお客さんが少ない・子供のお客さんが少ないのであれば少々色っぽい話をしてみたり、とその場に応じた高度なアドリブを生で見ることができる点が、映画や演劇を観に行くこととの大きな違いだ。

「面白そうにやってるところには人が集まってくる、僕が呼んでくる落語家は絶対に面白いという自信があります。回を重ねるごとに、落語会はさらに盛況さを増してますよ。」と四家氏は豪語する。その落語会にどの落語家を呼ぶのか、その人選をすることを『顔付けをする』と言うのだが、毎回お客さんや参加した落語家さん達から、「四家さんの顔付けはいいねえ!」と絶賛されているという。

しかし、お客さんのウケも良くどんどん来場する客数も増加しつつも、その反面、『初心者がつかめていない・リーチできていない』ため、そもそもその落語家のファンだったお客さんや自分の知り合いというレベルからの脱却を図ることが今後の大きな課題となる様だ。

“楽しさを『シェアする』場をより多く提供することで、気づきを共有することができる”

そしてインタビューの最後に、四家氏は今後の展望をこう語ってくれた。

「楽しさを『シェアする』ために何をしなければならないのか、を真剣に考えることは、ビジネスに関係ないところでやっている活動であっても、そこで得られるものをビジネスに応用することができると思います。僕自身、肩の力を抜いて、落語を聴いて癒されながらも、普段の生活や仕事に活かせる様な気づきをこの活動を通して得られる、という点も落語会を続ける理由のひとつになっています。今後も落語を通して笑顔になってくれる人を一人でも増やせればと思っていますし、来場してくれる、落語に興味を持ってくれる人たちへ『楽しさを共有できる場』をこれからもずっと提供していきたいですね。具体的には、年に行う落語会の回数を4回以上に増やし、コミュニケーションの機会をより多く儲けたいと考えています。近日でいうと、5月9日に9回目となる落語会が開催されますので、是非僕が話していることを体感しにきて頂けると嬉しいです!」

落語家の背中を押すことで、社会的・人間的に起こっているコミュニケーション領域のストレスが解消できるのではないかとして、この活動を行っている四家さんのwill(意思)は、今も継続的に熱を上げている。皆さんもその熱を直接感じに、四家氏が催す落語会へ行ってみてはいかがだろうか。


『シェアする落語』をより深く知りたい方は下記ページよりご覧ください。


5月9日に開かれる『シェアする落語』には、四家氏が『聴けば爆笑間違いなし』と一押しする落語家、『立川談吉』が出演する。詳細については下記をご覧ください。

 

出演: 立川談吉(2~3席) 対談:四家正紀

木戸銭(入場料):1,500円(予約・当日とも)

※限定60席 座布団・座椅子付

●ご予約はこちら
http://bit.ly/shareraku_09f

10席限定の椅子席あり(腰痛ひざ痛の方優先) (予約売切れの際、当日券はありません、ぜひご予約ください) ご入力後最後の画面で「受付番号」が表示されれば、ご予約は完了しています。お申し込み後、確認のメールを配信いたします。不着の場合はshare.rakugo@gmail.comまでご連絡ください。

携帯電話のメールアドレスをお使いの方は share.rakugo@gmail.com からのメールを受信できるように設定をお願いします。ご不明な場合は、できる限りPCで使えるメールアドレスをご利用ください。Gmailをご利用の方は、ご予約確認のメールが「迷惑メール」のフォルダに入ることがございます。不着の際はご確認をお願い致します。

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